MUSIC × SOCIETY
音楽と社会の未来
音楽は、ただ聴くためだけの
ものではない。
人を集める。
世代をつなぐ。
文化を育てる。
音楽が社会の中で果たせる役割を、もう一度考える。
一人の音楽家として、その未来を探り続ける。
Introduction
音楽は、
社会を動かす力を
持っている。
コンサートを聴くこと。 楽器を演奏すること。 好きな曲に心を動かされること。 音楽は、私たちの暮らしの中に、 さまざまなかたちで存在しています。
けれど、音楽の価値は、 その場で演奏を楽しむことだけではありません。
音楽をきっかけに、 知らなかった人同士が出会う。 子どもと大人が、同じ時間を共有する。 ある街の記憶が、 次の世代へと受け継がれていく。
そうした出来事の積み重ねが、 人と人との関係を変え、 地域の風景を変え、 やがて文化を育てていきます。
私が考えたいのは、 音楽が社会の中で生み出せる、 その先の可能性です。
音楽は、
人と人の間に生まれる
音楽は、一人でも生み出すことができます。 けれど、その音が誰かに届いた瞬間、 そこには新しい関係が生まれます。
ステージに立つ演奏者と、 その音を受け取る観客。 初めて楽器に触れる子どもと、 その様子を見守る大人。 偶然同じ場所に居合わせ、 同じリズムに耳を傾ける人たち。
立場も、年齢も、 それまでの経験も違う人同士が、 音を通して同じ時間を共有する。 音楽には、 そんな不思議な力があります。
打楽器のリズムが鳴り始めると、 自然と手拍子が生まれることがあります。 誰かが音を返すと、 また別の誰かが反応する。 そのやり取りの中で、 見えなかったつながりが少しずつ姿を現します。
音楽は、 演奏する人だけのものではありません。 その場にいる人たちの間で育っていくものです。
私が音楽の社会的な可能性を考えるとき、 出発点にあるのは、 いつもこの「人と人の間に生まれるもの」です。
アーティストの役割は
変化している
作品をつくること。 ステージで演奏すること。 自分自身の表現を追求すること。
それらは、これからも アーティストにとって大切な営みです。 私自身も、 電子打楽器という表現を軸に、 音と身体の新しい可能性を探り続けています。
一方で、音楽家が社会の中で果たせる役割は、 ステージの上だけに限らないとも感じています。
音楽に出会う場所をつくること。 まだ接点のない人同士をつなぐこと。 子どもが表現するきっかけを生み出すこと。 地域の中に、 音楽が続いていく流れを育てること。
演奏する人であると同時に、 音楽が生まれる環境をつくる人でもある。 それも、これからの音楽家の姿だと思います。
表現を届けることと、 社会の中に新しいつながりを生み出すこと。 その二つは、 別々の活動ではありません。 一つの音楽的な視点から、 自然につながっていくものです。
- CREATE 表現を生み出す
- CONNECT 人と人をつなぐ
- CULTIVATE 文化を育てる
- PASS ON 次の世代へ手渡す
音楽文化は、
誰かが育てていくもの
音楽文化は、 ただ時間が過ぎれば残っていくものではありません。
音を届ける人がいる。
その音に耳を傾ける人がいる。
演奏する場所を支える人がいる。
新しい世代に楽器を手渡す人がいる。
そうした一人ひとりの関わりが重なって、 初めて音楽は、 一度きりの出来事から 続いていく文化へと変わっていきます。
ある子どもが街で音楽と出会う。 興味を持って楽器に触れてみる。 仲間と音を合わせる喜びを知る。 やがて、その子が 次の誰かに音楽を届ける側になる。
その循環がある場所には、 音楽を楽しむ人だけでなく、 音楽を支える人や、 音楽を未来へつなぐ人が育っていきます。
文化とは、 誰かが完成させるものではありません。 多くの人が関わりながら、 少しずつ育て続けていくものです。
私は、音楽を届けることだけで終わらず、 その音楽が次の出会いへとつながっていく 仕組みや風景まで考えていきたいと思っています。
The Future of Culture
CULTURE
GROWS
TOGETHER
文化は、
一人では育たない。
届ける人。
受け取る人。
参加する人。
支える人。
一つの音楽のまわりに、 さまざまな立場の人が集まる。
その関わりが続いていくとき、 一度きりの体験は、 未来へ受け継がれる文化になる。
音楽と地域の
可能性
街を歩いていると、 どこからか音楽が聴こえてくる。 その音に足を止めた子どもが、 楽器に興味を持つ。 家族が見守り、 地域の人たちが自然と集まってくる。
私が思い描くのは、 音楽が特別な場所の中だけにあるのではなく、 街の日常とゆるやかにつながっている風景です。
子どもにとっては、 新しい世界に出会うきっかけになる。 大人にとっては、 誰かと時間を共有する機会になる。 地域にとっては、 人が集まり、 次の世代へ文化を手渡していく入口になる。
音楽が地域にあるということは、 音が聴こえる場所が増えることだけではありません。 人が関わり合える場所が増えるということです。
演奏する人だけでなく、 応援する人も、 支える人も、 初めて参加する人もいる。
その一人ひとりが関わることで、 音楽はイベントとして消費されるだけでなく、 地域の中で育っていく文化になります。
子ども、音楽家、学校、企業、地域の人たち。 それぞれが持つ力を少しずつ重ねながら、 音楽のある未来を一緒につくっていく。 そんな文化のかたちを、 これからも考え続けたいと思っています。
未来の音楽体験へ
テクノロジーの進化によって、 音楽をつくる環境は大きく変わり続けています。
電子楽器で、 これまでにない音を奏でる。 離れた場所にいる人と、 オンラインでアイデアを共有する。 AIを使って、 新しい発想を試してみる。
こうした技術は、 音楽の入口を広げ、 これまで参加できなかった人にも 新しい関わり方を生み出しています。
けれど、 技術が進化するほど大切になるのは、 人が何を感じ、 誰とつながり、 どのような未来をつくりたいのかという視点です。
一方的に受け取るだけではなく、 自分も参加できること。 完成したものを消費するだけではなく、 誰かと一緒につくれること。 一度きりで終わるのではなく、 次の世代へ育てていけること。
未来の音楽体験とは、 新しい技術を使うこと自体ではありません。 人が音楽に関わる方法を、 もっと自由に、もっと豊かにしていくことです。
身体から生まれるリズム。 電子技術によって広がる表現。 人と人との間に生まれるつながり。
そのすべてが重なった先に、 新しい音楽文化のかたちがあると考えています。
- 出会う
- 参加する
- つながる
- 共につくる
- 育てる
- 受け継ぐ
Artist Statement
MASAKingとして
電子打楽器奏者として、 私はこれまで、 身体から生まれるリズムと テクノロジーによる新しい表現を探求してきました。
その一方で、 学校やさまざまな現場を訪れる中で、 音楽には、 演奏することだけでは語りきれない力があることも 実感してきました。
子どもの表情が変わる瞬間。
初めて出会った人同士が、
リズムを通してつながる瞬間。
一つの音楽のまわりに、
世代の違う人たちが自然と集まる瞬間。
そうした経験を重ねるほど、 音楽を届けるだけではなく、 音楽が育ち、 受け継がれていく環境そのものにも 関わりたいと思うようになりました。
アーティストとして表現を追求すること。
次の世代に音楽との出会いを届けること。
人や地域をつなぎ、
新しい文化の流れをつくること。
それらは、 私の中ではすべて同じ場所から始まっています。
音楽が、人と人との間に未来を生み出す。
その可能性を信じながら、
これからの音楽文化を、
多くの人とともにつくっていきます。
MASAKing
